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外国に来る日本人の心構え
日本からの訪問者を案内しひと段落してアパートに帰り、夕食の支度をしようとしていたら再び大学から電話が掛かり、日本人グループのエスコートをして欲しいということであった。私と1学期下のTim脇山が世話をすることになった。大学に行ってみるとDr.
Tompson(トンプソン・テクニックの創始者)と大学の幹部を交えたミーティングが行われていた。カイロプラクティックの現状や将来について、日本からのグループの人たちとアメリカ側の人たちにより熱っぽくカイロプラクティックを愛するものとして真剣にディスカッションをしているのを見て、昨日のいい加減な人たちと思っていた気持ちが吹っ飛んだ。日本のカイロプラクティックをどうしたら法制化が可能なのか!?教育はどうしたらいいのか?そのためにはどうすればいいのか?など我々日本留学生にとっては大切な問題である。特に80歳を過ぎる鍼灸師でカイロプラクティックを業とする先生の熱心な質疑応答に感動した。夜の歓迎ディナーに出席して帰宅した。
翌日の昼過ぎ、グループの1人から私のところに電話が入った。「申し訳ありませんが、美味しい日本のご飯を食べさせて頂けませんか!?」といきなり唐突な質問をしてきた。ともかく「いいですよ、他の留学生を向かいに行かせますから・・・」と答えた。彼らのスケジュールでは今日はWisconsinの「Ganstead
Clinic」へ見学に行く予定のはずなんだけどどうしたんだろう、とそのときは思った。お昼過ぎ、2人の日本人が私のアパートを訪れた。ドアを開けて入ってきた2人を見てビックリした。1人は昨日のミーティングで熱心に質問していた老人であり、もう1人は40代のひげの生えた初老の人であった。
「どうしたんですか?みんなと同行したんじゃないですか?」と尋ねると、「実はアメリカへ来てから成瀬先生が毎日アメリカ食で具合が悪くなり食事が受け付けなくなった」と同行した先生が説明した。「ああ、それで日本食を食べたくなったんですね」と私は答えた。
そこで既に電気釜でご飯が炊き上がり、日本から送ってきた塩辛と海苔に私が作った肉野菜炒めと卵焼き、そして日本食には欠かせない味噌汁を彼たちに出した。すると、食べながら成瀬先生が涙をぽろぽろ流し「これでやっと生き返った心境です。どうもありがとうございます」と何度も何度も私に頭を下げた。不思議なことにこれが縁となって私が日本に帰国した折、彼たちが作っていた研究会に招かれ、のちに私が主宰することになった。
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