中島カイロプラクティックセンター

自然医療

Dr.中島 回想録

■ Dr.中島 回想録 アメリカ編29

No.29


驚かされた最初の患者

いよいよJunior IIIに入る。クリニックがスタートした。先のQuarterでは患者を一人も診ず大学病院での動きについて自分なりにシュミレーションしたりしておいたせいか、クリニックがスタートすると運良く患者さんが来てくれた。最初の患者さんがなんと私のアパートのオーナーご夫婦だった。有難かったが、ただ一つ問題があった。それはご主人のMr. Schultzの、体重がなんと210kgあり、まさにお相撲さんを思わせる体型であった。そこへ持ってきて糖尿病だというので私の最初の患者さんとしては難しく、どうしたらいいのか途方にくれた。そこで私の担当医や友人たちに治療法を尋ねたが、誰一人経験がなく良いアドバイスは得られなかった。そこで長い臨床経験を持つDr. V. L. Hagen(診断学教授)に助けを求めた。するとDr. Hagenが懇切丁寧に治療法を伝授してくれた。これが縁で次の学期から彼のクリニックでインターンをすることになった。彼の教えは素晴らしく、Mr. Schultzは普通の患者と違い骨盤や腰椎をアジャスト(調整)することができないのでSOTという特殊なテクニックを用いた。それは三角になった楔形のブロックを骨盤の下に挿入し、自然の形で骨盤を修正する方法である。これによって脊柱に付着する硬膜が緩み、低下していた内臓機能が活性化され、内臓と関係する背骨の筋肉群が弛緩し、たやすく背骨のサブラクセーション(歪み)に治療を施すことができた。体全体の神経を調節する頚椎1・2番の環軸関節の調整もうまくできたため、数回の治療で血糖値が下がってきた。Mr. Schultzは大変喜んでくれた。私にとっては難しい患者ではあったが、非常に勉強になった。この出来事以来、少しずつインターンすることに自信を持てたような気がする。しかし、その後も“言うは易し、行うは難し”で、患者さん集めに苦労したり、患者さんが来ても未熟な私には対応できないというジレンマに陥った。そこは根性、努力で乗り切ろうと決心をした。果たして今後はどうなるのだろうかと、一抹の不安を抱えながら次の学期を向かえた。


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